NPO法人の広報サポート担当の白石です。
広報に関する記事はこちらをご覧ください。
- 広報とは何か。
- 伝えたいメッセージを整理しよう。
- デジタルメディアを性格別に使いわけよう。
- NPO法人とニュースリリース
- ニュースリリースの書き方(1)
- ニュースリリースの書き方(2)
- プレスリリース配信サービスを使ってみよう
今回は、広報活動の効果を最大化する方法についてご紹介します。
NPO法人とニュースリリース
ニュースリリースとは何でしょう?
対マスコミ向けに何か発表したい事項がある場合に、それらを完結にまとめた資料のことを一般的にニュースリリースと言います。プレスリリースという言い方も使います。
基本的な作法さえ抑えれば、ニュースリリースはだれでも書くことが出来ます。NPO法人にとって、ニュースリリースは欠かせない必須アイテムとも言えます。公益性が最も重要なファクターであるNPO法人にとって、(費用がかかる)広告よりもまずは、記者に取材してもらう記事の形での露出が最も望ましいからです。その記事を通じて、対象者に法人の存在を知ってもらい、活動を支持してもらい、ファンになってもらう。そしてファンがまた法人を広めていく。そんなプラスの動きが出来たら最高ですよね。
では、ニュースリリースはいつ、どんなタイミングで出すべきなのでしょう。
最も効果的なのは、スタートアップのタイミング!
ニュースリリースのタイミングとして、最も効果的だと言われるのは、やはりスタートアップ時です。なぜなら、記者は「新鮮なニュース」を重要視するからです。
記者は、読者に対して、どこよりも早い、社会的な意義及び影響力のある、ユニークな情報を知らせるのが本分であるからです。
そのため、NPO法人にとって、一番初めの、スタートアップ時が最大のPRチャンスということになります。
営利、非営利問わず、スタートアップ時というのはまだ組織が固まっていない上、雑事が非常に多く、正直なところ「広報なんてやる余裕がない」法人がほとんどではないでしょうか。
過去にはベンチャー企業のお客様でもよくあるケースが、設立後、サービス開始後、半年以上たってから「マスコミに取り上げられない」といって相談に来られて、新しい絵作りを提案していくということがよくありました。法人のコンセプトや活動内容をマスコミに取り上げてもらうチャンスを逃してしまうのは非常にもったいないです。
ポイントは、法人のコンセプトや活動内容が、「オリジナリティ」「時代のニーズを捉えているか?」
広報はだれでもやれる。その言葉に嘘はありませんが、意外と難しいのが、広報センスを身につける、ということかもしれません。これは正直、向き不向きがあるように思います。しかし、トレーニング次第でいくらでも磨くことが出来るのもまた、広報センスだと思います。
スタートアップ時が最大のPRチャンスと書きましたが、もちろん、スタートアップ時ならなんでも取り上げて貰えるのかというとそういうわけではありません。
では、どうすれば、メディアに興味を持って貰えるのでしょう?
まずは、なぜその法人をつくろうと思ったのか、というところに立ち返って見て下さい。そして、似たコンセプトの他の法人と並べて見た時に、どこか差別化されているのか。どのポイントが、「他に無いユニークなところなのか」を記者になったつもりで見てみましょう。
この「記者になったつもりで」というところが意外と難しいようです。なぜなら、どなたも強く熱い思い入れがあって法人化なさっているので、どうしても冷静さ、客観性を欠いてしまうからです。
広報センスとはつまるところ、記者の目を自分の中に持つ、ということに他なりません。広報センスを身につけるためには、ご自身でも日々のニュースを記者目線で見てみる訓練をされると良いと思います。
似たコンセプトの法人でメディアに出ているところや、法人が関わっているジャンルのキーワードをGoogle Adwordsなどで登録し、日々チェックします。そうすると、メディア露出しやすいキーワードや行事の傾向が見えてくるはずです。
広報に関わる人々は、日々様々なニュースをチェックしますし、記者とも交流することでこのようなセンスを身につけていくものだと思います。
話がそれましたが、まず法人について広報目線で冷静に見た場合、「同じことは他のところが既にやっているな」「独自性というポイントは弱い」など、見えてくることがあるのではないでしょうか。
もし、広報的な視点での独自性が弱い、と判断するならば、それはそれで別の施策を練る必要があります。ただご注意いただきたいのは、NPO法人は営利法人ではないので、広報視点に偏ってはいけないとは思います。もともと定められた目的に沿ってあくまでも粛々と活動していくことも非常に大切なことであるからです。
次回は具体的なニュースリリースの書き方についてご紹介します。