NPO法人がスポンサー収入として、企業から支援を受けることがあると思います。
当社がお手伝いしているNPOでも、スポンサー収入の大部分を占めるところがあります。
では、NPO法人がスポンサー収入を得た場合、NPO法人側に課税されるのでしょうか?
スポンサー収入の内容が何なのか?
スポンサー収入の名目としては次のようなものが考えられますが、
- 寄付金
- 協賛金
- 広告収入
スポンサー収入の名目が何なのかによって、課税対象となるかどうかが変わってきます。
それぞれについて、NPO法人側が課税されるかされないか、見てみたいと思います。
寄付の場合
スポンサー収入が完全に寄付金の場合、非収益事業(税法上の34種類の収益事業に該当しない事業)に充てる場合には課税されません。
収益事業(税法上の34種類の収益事業に該当する事業)に充てる場合には、原則として課税の対象となります。
協賛金
協賛金は、会計上、寄付収入として処理するケースと広告収入で処理するケースとあるようです。
寄付収入として扱う場合、次の条件を満たす必要があります。
- 支出する側に任意性があること
- 直接の反対給付がないこと
2はつまり、支出に対価性があるかないか、簡単に言うと見返りがあるかないか寄付か広告かが決まります。
広告収入
スポンサー企業としては広告宣伝費で処理できれば、全額損金に出来ます。
ですので、スポンサー企業側からは広告収入として受けてほしいという要望はあろうかと思います。
広告宣伝費として扱われるかどうかは、次の点によります。
- 広告宣伝の意図が明らかであること。
- 支出と広告宣伝との関係が明らかであること
- 支出された金額に対して提供される広告宣伝が金額的に妥当であること
広告宣伝費として妥当な範囲
たとえば100万円のスポンサー収入があったとして、スポンサー企業側としては広告宣伝の意図があったとして、そのうち広告宣伝費として金額的に妥当な範囲が50万円だとすれば、50万円が広告宣伝費、残りの50万円が協賛金、ということもあり得ます。
その場合、協賛金部分の50万円については、上記の寄付金と同じで、非収益事業に充てるのであれば課税されません。
広告収入となる部分は?
NPO法人側からしますと広告収入となれば、事業収入になります。
広告収入を得る事業は、税法上の34の収益事業のうち、問屋業または請負業に該当しますので、課税されます。
まとめ
ちょっとややこしいのですが、NPO法人の税金を理解するにはいい例かと思い、取り上げてみました。
なお、上記は一般的なことであり、かなり簡略化してまとめています。
個別具体的な取り扱いを詳しくお知りになりたい方は、税理士または税務署等にご確認ください。
NPOの税務にお詳しい税理士、脇坂先生のブログのリンクも貼っておきます。