NPO法人の広報サポート担当の白石です。
広報に関する記事はこちらをご覧ください。
- 広報とは何か。
- 伝えたいメッセージを整理しよう。
- デジタルメディアを性格別に使いわけよう。
- NPO法人とニュースリリース
- ニュースリリースの書き方(1)
- ニュースリリースの書き方(2)
- プレスリリース配信サービスを使ってみよう
目次
広報は変革の時代
今回から、数回にわたって、広報活動についての記事を紹介していきます。
少し、自己紹介をさせて下さい。私は、行政書士法人GOALの白石と申します。
約10年間にわたって、広報を専門として仕事をしてきました。
「広報ってそもそもどんなものか分からない」
「高いお金を払って、広報をやる余裕がない」
でも
「もっと私達の活動を世の中に知ってもらいたい!」
「テレビや新聞で取り上げてもらいたい」
そんな思いをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
専門家に高いお金を払わなくても、ちょっとした知識を身に付けるだけで、広報は可能です。今は、私達1人1人が広報をやれる時代だと私は思います。そのためのヒントをこれから数回にわたり、お伝えしていきます。
広報とPRの違いとは
まず、広報とPRの違いについてほんの少しだけ触れたいと思います。
日本には、そもそも広報というものは存在していませんでした。PRという概念を初めて日本に持ち込んだのは、アメリカのGHQであったと言われています。PR=パブリック・リレーションズを、日本では日本語で「広」く、「報」せる。と訳し、広報という名称が出来ました。アメリカでは、PRは例えば、大統領選挙の際にもPRマンが参謀としてついていたり非常に重要なポジションなのですが、日本ではあくまでも受け身の広報という形で発達をしてきました。そのため、日本は欧米に比べて、PRというものの成熟が非常に遅れてしまったという現状があります。
現在、単にメディアに出ることだけがPRなのではなく、組織にとって重要な、既存・潜在的顧客、従業員、経営者、 投資家、メディア、政府、サプライヤー、オピニオン形成者との関係全てがPRだと言えるでしょう。
広告業界に激震が走ったハードデイスク・レコーダー(HDD)の登場
この10年でPRの業界、ひいては広告業界にとって非常にエポックメイキングだった出来事といえば、デジタルの急速な進歩が挙げられます。
まず、HDDの出現により、「視聴者がCMを見ない」という事態が起きました。これにより、広告業界は非常に困った事態に陥りました。これまでどんぶり勘定で巨額の利益を得られたのに、それが出来なくなったからです。体力の無い広告代理店は、事業規模を縮小したり倒産するところもかなりありました。
そんな中で電通など大手は、いち早くマーケティングをシフトし、複合的な広告戦略を展開し、難局を乗り切りました。昨今では、広告代理店、PR会社、ITカンパニーなどの垣根が無くなり、非常に混沌とした状態が続いています。
デジタルメディアの急速な進化により、1人1人がメディア化
実は当時、広告業界の変化は、一部では予想されていたことでした。
予想外だったのは、インターネットの急速な普及でした。これにより、広告主や広告代理店では、より企業ブランドのメッセージやコンテンツを磨き上げ、CMとインターネットのコンテンツを連動させ、誘導させる仕組み作りなどに注力してきたのです。
今は、興味のある情報には消費者がすぐに手元のデジタルデバイスでアクセスしてくる時代なので、強力なコンテンツの存在は欠かせないものになっています。また、最近では、企業の新発表と同時にデジタルでは全く違うコンテンツを作って、そこへ誘導するというのもトレンドです。広報動画を作成し、ニュースリリースに貼付。ユーザーの理解度を高めたり、大企業でも、予算をかけてPV(広報動画)を作成し、youtubeなどの動画サイトでの話題化を図るといったことも定番の手法となってきました。
お金がなくてもPRは出来る。手作りの広報活動
「うちは予算が無いから、そんな大掛かりなことは出来ない」
そうおっしゃる方もいらっしゃることでしょう。しかし、デジタルが進化した今の時代だからこそ、PRはより親しみやすくなってきたとも言えます。
次回から、いかにしてNPO法人としての広報活動を行うか。その具体的な方法についてご紹介していきたいと思います。