NPO法人を立ち上げるとき、名称は非常に重要です。
その名称から、法人の事業内容、ビジョンまたはミッション、雰囲気が伝わってきます。
素晴らしいメッセージを発信しているのに、名称がチグハグでマッチしていないと、効果が半減します。
そんな重要な名称ですが、近い事業目的・内容のNPO法人が既に存在し、既に類似の名称が使われている可能性があります。設立認証の申請前に類似の名称が使われていないかチェックしましょう。
目次
類似商号の規制
かつては、設立しようとする法人の商号について、同一の市区町村において同一の営業のために同一又は判然区別することができない類似の商号が既に登記されている場合には、 その商号では登記できないという類似商号の規制がありました。
現在はその規制は緩和され、既に登記されている他の会社と同一の商号、本店所在場所も同一である場合に限り登記できないとなりました。
とはいえ、他の法人と誤認されるような恐れのある名称(商号)を使用した場合、その存在が薄まってしまう恐れがあるばかりか、損害賠償請求の対象になる恐れがあるので注意が必要であることにはかわりありません。
類似商号の調べ方
では類似の商号はどのように調べたらいいのでしょうか?
[全国特定非営利活動法人情報の検索]で調べる
こちらのサイトで全国の設立済みのNPO法人の情報を調べることができます。
認証申請中NPO法人を縦覧する
NPO法人の設立認証の申請をしますと、1ヶ月間の縦覧期間(市民に申請内容が公開される期間)があります。
都道府県のHPでは、現在設立認証申請中で1ヶ月の縦覧期間中の法人が検索できます。
ご自身が活動予定の都道府県とその周辺都道府県のHPにアクセスし、縦覧してみるといいでしょう。
なお、公開されているのはあくまでも縦覧期間中の法人のみなので、縦覧期間終了後〜法人登記完了の間にいる団体はこれらの方法では確認できません。
申請中の法人に同一の名称の団体があるかどうか、窓口に電話して聞いてみたこともあります。
(その対応は都道府県毎に異なります。)
Google先生に聞く
次の方法は、単純にググってみるということです。
ご自身のやりたい事業に関するキーワードの組み合わせ+「NPO法人」で検索して、もし考えている名称に近い名称のNPO法人が既にGoogleに上位表示されていたとするならば(かつ、WEBからの流入も重要な事業なのだとすれば)、営業上支障があるので、その名称は使わない方がいいかもしれません。
法務局または法務局のオンライン登記情報検索サービスで調べる
正式な表記を調べる場合には、法務局の端末か、または法務局のオンライン登記情報検索サービスで調べることができます。
まとめ
同一住所で同一名称で登記ができないという自体は現実的には起こりにくいと思います。
しかし、類似の名称の団体が存在することにより、紛らわしく、活動上の存在・インパクトが薄まってしまう等の問題が起こりえます。
既に名称が商標登録されている可能性もあります。
名称が類似したことによる損害賠償などのトラブルを回避するために、念のため名称の調査をやっておくといいと思います。